新日本柔術 梅一
梅一について
■当流の目的
柔道、合気道など、日本の古流柔術の流れを汲む現代武道についてその根本の真理をつかみ、再編成して実践・修練することを目的としています。また、柔術・剣術など江戸時代以前の武術の歴史や術理について研究・整理し、価値ある文化資産を次世代に遺してゆくことも使命とします。
競技スポーツ、型演武としてではなく、護身・実戦性を重視した「あらゆる現実の戦闘シーンに対応できる合理性を備えた総合格闘技」として、日本古来の侍の戦闘技術である<柔術>を再構成・アレンジし、常に進化を続ける「新・日本柔術」として、現代に蘇らせます。
■古流柔術から柔道・合気道への流れ
柔術は日本において古来から伝わる徒手や短刀等での戦闘術で、戦国時代の組討技術や日本刀の操法が基になっています。江戸時代には非常に数多くの柔術諸派が存在していましたが、明治維新後は消滅の危機に瀕します。そのような時代の中、嘉納治五郎が起倒流、天神真楊流を中心に柔術諸派の技術を整理して創設した嘉納流柔術から講道館柔道が誕生。さらにそこから派生して寝技を中心に独自進化したのがブラジリアン柔術です。一方、会津藩の殿中技法として伝えられていた技術が明治になって天才武術家・武田惣角によって完成し、一般に公開されたのが大東流合気柔術です。さらに惣角の弟子である植芝盛平によって、合気道が創設されました。さらに時代が進んで1990年代、ブラジリアン柔術が総合格闘技の世界を制圧したことにより、一躍ブラジリアン柔術が注目されるようになり、競技人口も大幅に増えます。日本からブラジルに渡った柔道が、ブラジリアン柔術として日本に逆輸入される形となり、今では単に「柔術」というと、ブラジリアン柔術のことを指します。

■梅一が提唱する新しい柔術のスタイル
さて、このような歴史を踏まえて、梅一は古流柔術をルーツとする現代武道である柔道・合気道の本質となるエッセンスを抽出し、さらに古流の技術も発掘して、護身術・格闘技として有効性を持つ、新たに刷新された日本柔術のスタイルを提唱したいと考えます。そして、将来「柔術」というとブラジリアン柔術だけではなく、日本柔術も含まれる、というような情勢が生まれることを期待します。<柔術>の大海はとてつもなく広く、より大きなスケールで語られるべきだと思うからです。
■団体名「梅一」について
まだ寒さが厳しい中、寒風に耐え春の訪れを告げるように凛と咲く美しい一輪の梅の姿をイメージして、団体名称としました。 梅には「高潔」「忍耐」「忠実」「不屈」などの花言葉があります。
梅一の象徴紋(丸に梅の花)
